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2016年1月 一般(新年の挨拶)- “a happy new year” or “happy new year”


 新年おめでとうございます。といっても早いものでもう1月も残すところ10日余りとなりました。

 さて、弊社はこれまで22年間、日本橋人形町の同じ雑居ビル6階におりましたが、このたびビルのオーナーが代わり、新オーナーが全面的改修を決断されました為、弊社も(他のテナント同様)急きょ同ビルの4階に移転を余儀なくされました。

 昨年12月半ば以降、その引越しからくるてんやわんやの騒動で、様々な不手際が続き皆様にご心配をおかけいたしましたこと、誠に申し訳ありません。

 やっとここにきて種々の問題が解決しつつありますので、遅ればせながら新年のご挨拶を申し上げます。

 旧年のお約束では、1月は「かしめ」の続きの予定でしたが、担当者が体調を崩しまだ完全に復帰しておりませんので、今回はこの時期にちなんだ軽い話題として新年の挨拶を取り上げたいと思います。

 「新年おめでとう!」「明けましておめでとうございます」など、新年の挨拶の文言はいろいろありますが、日本語のこれらの表現は、年が明けてから交わす挨拶ですね。年も明けない12月から「新年おめでとう」という人はいないと思います。

 もちろん、年賀状は旧年中に書いて投函するのが通常ですので、旧年中に「新年おめでとうございます」と書きますが、これは名宛人に届くのが新年になってからであることを前提としているわけです。

 しかし、欧米では、12月のうちから「新年おめでとう!」のように聞こえる挨拶をするので変に思う方もいるかもしれません。

 実は、12月にいう「新年おめでとう!」は、英語では“I wish you a happy new year!”です。不定冠詞付きの “a happy new year”であることに注意しましょう。つまり、「来る年がよき1年でありますように!」という挨拶なわけです。

 これが、新年になってからは、不定冠詞がとれて、“Happy new year!”という挨拶になります。

 新年最初の挨拶として、AさんがBさんに“Happy new year!”と呼びかけ、これに応えBさんも、“Happy new year!”と返すわけです。

まとめ:

(1) 旧年中に言う挨拶としては “I wish you a happy new year!” とか、“A happy new year to you!”といいましょう。「新年がよい年でありますように」という挨拶になります。

(2) 年が明けてからは、“a” なしの“Happy new year!”と挨拶を交わすことになります。これは“Good morning!”や“Good day!”、“Good night!”という定型挨拶表現に “a” がないのと同じことです。


 では本年もよろしくお願いいたします。


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